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チャオチャオのワイルドディスカスレポート №5 [チャオチャオのワイルドディスカスレポート]

アクアとペットをこよなく愛する皆様、こんばんは!

日本全国のヘッケルバンドファンの皆様、お待たせいたしました!

今回は縦真一文字のアレについてのお話しです。

前置きは今回なし!早速ブラジル在住の漁師兼シッパーさん、よろしくお願いしますね~♪


           ワイルドディスカスって何 ?
―アマゾン在住18年の日本人ディスカス漁師が写真で語るワイルドディスカスの基礎知識―

4.ワイルドディスカス産地別のバリエーション境界線に生息するデイスカス
謎のヘッケルバンドを持つディスカスに迫る

いつものようにまずはこの地域に生息するデイスカスのおさらいから

グループ5境界線に住むデイスカス 謎のヘッケルバンドを持つデイスカス


        トロンベッタス川――↓
ネグロ川―↓ ニャムンダ川――↓  ↓
     ↓ ウワトマン川↓ ↓  ↓
マナウスから―――――――→アマゾン川――――――→サンタレンまで
  マデイラ川――――↑ 
マリマリ川―↑ ↑ ↑
アバカシス川――↑ ↑       
スクンドリ川――――↑


ヘッケルバンドとはなんぞや?からはじめましょう。
時は1840年 ヘッケルさんがネグロ川で採集された丸い形をしたシクリット科を
Symphysodon discusと命名(学術記載)しました。
これが今日この丸い魚がデイスカスと呼ばれるゆえんです。
このネグロ川で採集された魚には体側にあるバーチカルラインの中央がすべて他のラインに比べ太バンドになっているという特徴があり、
この特徴はその後他地域で発見された同類の魚には見られなかった特徴であったので
命名者のヘッケルさんにちなんでヘッケルバンドと呼ばれるようになったのだと思います。
昔はこのヘッケルバンドを持つデイスカスはネグロ川にしか存在しないと思われていたので、このバーチカル中央太バンドを持つデイスカスを他のデイスカスと区別するため
ヘッケルさんデイスカスと呼ぶようになったわけですね。
外国ではさんづけする習慣はありませんから、いつの間にか日本でも無礼にもさんづけなしでヘッケルデイスカスと呼ばれるようになったのです。
しまいにはもっと横着になりただのヘッケルと呼ぶ人もいますが(私も)
ヘッケルは人命ですので、デイスカスに対し太郎と呼んでいるのとあまり変わりのないことだと覚えておきましょう。
これでヘッケルバンドとヘッケルデスカスについてはおおよそ理解できましたね。
では本題に入ります。
このヘッケルバンドを持つデイスカスは本来ネグロ川にしか生息していないと思われていたのですが、漁師が色々な産地で漁をするに従って、別の地域でヘッケルバンドを持つデイスカスを見つけてしまったわけです。
それは近年、この支流にも、この支流にもと現在はアマゾン河の多くの支流にヘッケルバンドを持つデイスカスが生息していると解ったのです。
その生息地が上記の生息地です。
では、いつものように写真を見ながら見て行きましょう。
写真01 ネグロ川のヘッケルデスカス日本風にいえば本家ヘッケルバンドデイスカスですね
1.jpg 

写真2マデイラ川支流のマリマリのヘッケルバンドを持つデイスカス2.jpg
4.jpg3.jpg 
 
 


ウワトマンのヘッケルバンドを持つデイスカス

5.jpg6.jpg

マウエスのヘッケルバンドを持つデイスカス
7.jpg 


ニャムンダ

8.jpg

9.jpg10.jpg11.jpg12.jpg13.jpg

同じヘッケルバンドを持つデイスカスでも色々とバリエーションがありますね。
ストライプラインが細かったり太かったり、青かったり、ストライプラインが強かったり弱かったり少なかったり。これらの地域も各支流の上流に行けばいくほど形質は安定し同じような表現パターンになるのですが、これらヘッケルバンドを持つデイスカスは各支流の上流域に行くほど細く密なライン表現になるというわけです。オリジナルのネグロ川のヘッケルバンドを持つデイスカスに近い表現型になっていきます。
各支流の下流域は太いラインストライプや半分ストライプ、またストライプ表現が弱い物などバリエーションが多くなります。
以上が謎のヘッケルバンドを持つデイスカスなのです。
ここで原稿は終わりなのですが、上記説明では何故謎のヘッケルバンドなのかの謎の部分について語られていません。
何故巨大なアマゾン川をはさんで北岸に流れる支流と南岸に流れる支流の各最上流部にそっくりのストライプ表現のヘッケルバンドを持つデイスカスがいるのか?
またアマゾン川に並行して流れ込む各支流の上流域にストライプ表現のヘッケルバンドを持つデイスカスが生息しているのか?
何故これら支流の下流域にはヘッケルバンドを持たないデイスカスが多いのか?
これは境界線に生息するデイスカスの謎をとく鍵になると思いますので
少しだけ、私の勝手な憶測を。あくまで憶測ですのでここから先は本気にしないように。
私の考える仮説では元々本来はネグロ川、マデイラ川、ウワトマン川、ニャムンダ川、トロンベッタス川までの地域にはストライプ表現でヘッケルバンドを持つデイスカスしか生息していなかった可能性があると考えられるのではないかという事です。
それが大アマゾン河のもっと上流に住んでいたストライプ表現でヘッケルバンドを持たないプルース川などのデイスカスが流れてきて、その結果他グループとの交雑が複雑に進んで来た地域がネグロ川の下流からトロンベッタス川の下流までと考える事が出来ます。
他グループとの交雑が進んだ為、これら支流の下流域にはヘッケルバンドを持たないストライプ表現のデイスカスや、ヘッケルバンドを持つ太いストライプ表現のデイスカス
あまりストライプ表現は強くないがヘッケルバンドを持つデイスカスなどが
どんどん生まれて、またその子供同士が複雑に世代交代を重ねるうちにバリエーションがやたらと増え、そして今また新たに新しいグループとして固定段階に入りつつあるのではないか?と考えられなくもないです。
で元来この地域に生息していたストライプ表現のヘッケルバンドを持つデイスカスは
アマゾン河をはさんで北と南に分断された。また平行にアマゾン河に流れ込む支流の各上流域に隔離された。
それらの隔離されたストライプ表現でヘッケルバンドを持つデイスカスは、隔離された環境の中で近親交配が重ねられた為より安定した表現型を見せるのだと考えれば、何故ネグロ川以外の各支流に同じようなタイプのヘッケルバンドを持つですかすが上流部だけに生息するのかの謎が解けてきそうな気がします。


何故、色々な川の上流にヘッケルバンドを持つディスカスが多いのか?

う~む!なんという大胆な考察!!

皆様、今回はどっぷりとヘッケルバンドの世界にハマっていただいたと思います。

いや~本当に良いですね~このコーナー!!

これからも続きますので(予定です)是非ご期待ください。


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ごりら

ごりらです。
ホンマは人間?

先日はお世話になりました。控えめなヘッケルをいただいて帰った者です。早速なついています!手から餌を食べております。この子たちを立派に育ていつの日か青いヘッケルを狙ってみたいです。昔はネグロ産しかいないと思い込んでいましたね。そう言われてみれば肌の色が違うヘッケルも昔から混じっていた記憶があります。どっぷりつかり始めるかましれません!よろしくお願いします。ワイルド奥深し!
by ごりら (2012-02-14 06:53) 

チャオチャオなタケオ

>ごりらさん
こちらこそお世話になりました!
早速ヘッケルを手なずけられたのですね~。
是非楽しんでください。

ヘッケルと一言でいっても今回の記事の通り
いろんなのがおりますね!
そのバリエーションを楽しむのも
ワイルド(ヘッケル)ファンの醍醐味でしょう!
ワイルド奥深し!その通りですね^^
by チャオチャオなタケオ (2012-02-18 19:08) 

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