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チャオチャオ流 スポンジフィルター・エア吐出量について 後編 [ディスカス飼育How To]



前回はザックリとスポンジフィルターの仕組みをご紹介し

当店流の使用法で、エア吐出量は比較的弱い状態でスポンジフィルターを運用している状況を

動画などを通じてご紹介いたしました。

では本日のお題です。

”エアの吐出量の強弱によって、スポンジフィルターに何が起こるのか?”

”何故私はエアの吐出量を弱くしているのか??”

こちらを説明して参ります。

DSC_6318a.jpg

イラストです(笑)

こちらが前回文章で紹介した内容で、スポンジフィルター内でどのように水の流れるのか?

を示したものになります。

真ん中樹脂パイプにエアを送る事で浮力が発生し

そのエアの浮力に巻き込まれたパイプ内の水は垂直上方向へと押し上げられ、その力が

真ん中樹脂パイプに向かって底部水平樹脂パイプ内の水を吸い込む力となります。

またその力が左右の穴が多数開いているパイプの各穴から外部の水を吸い込む力を発生させます。

上はその水の流れを示しております。ここまでは前回話した通りです。

ここで新しく見て頂きたいのは、その左右のパイプの穴の位置によって
水を吸い込む力に強弱が存在する(筈)という箇所です。

底部であるほど強く、上部先端に行くほど弱くなる。

これは想像してみれば容易に想像できると思います。

DSC_6316a.jpg

新しいイラスト(笑)

エアの吐出量を必要以上に強くすると果たして何が起きるのか?

エアの吐出量を強めれば強める程、スポンジ内の通水は早く、時間あたりの通水量も多くなりますね。

結果として、スポンジ内を通る水槽内の水に含まれる残餌や糞が増えて

スポンジ内により速く蓄積される事になります。

そしてご覧のようにスポンジの底部に近いエリアから

徐々にスポンジ内は残餌や糞により通水性が失われ、嫌気状態となります。

こうなるとスポンジ内に存在する有機質を魚にとって害の少ない物質に酸化還元するバクテリア

(通俗的には”善玉バクテリア”)をはじめ酸素を必要とするバクテリアの活動が弱まってしまいます。

スポンジ内の通水性が確保された好気性(酸素がある環境)の環境時では

支配的であった善玉バクテリアにより活動を抑制されていた(餌を奪われていた)バクテリア=

有機質を代謝し魚の健康を害する物質を放出するバクテリア(通俗的には”悪玉バクテリア”)が

通水性が失われ、嫌気性(酸素が少ない環境)となった環境で

俄然活動を活発化させて、魚に有害な毒素を大量に放出するのです。


※この状況はスポンジフィルターのエア吐出量云々だけの話ではなく

他のフィルター使用環境でも起こる”ディスカスの不調”の典型的原因です。

餌の量、餌の素材、加工方法、水換えの頻度と量、物理濾過の有無、善玉バクテリアの活性度

濾過機のメンテナンス頻度次第で発生します。これについてはまた別の機会に。


スポンジフィルターのエラ吐出量が必要以上に強い場合、どのような状況が

スポンジ内部に起きるのか?ご理解いただけたでしょうか?

では”何故私はエアの吐出量を弱くしているのか??”こちらに説明を移していきます。


DSC_6317a.jpg

イラスト(笑)

これは”通水性が確保されたスポンジ内の状況を示しております。

私は、スポンジフィルターのエア吐出量を弱める事で

スポンジ内に以上のような”溶存酸素量の少ないエリア”が出来ると推察しております。

通水量が弱いエリアでは、まずスポンジ外側に生息している

好気性バクテリア(善玉バクテリア)が有機質やアンモニアを酸化還元し、水に含まれる酸素は

効率よく消費されながら、水はゆっくりゆっくりとスポンジ中心部に向かって流れいきます。

結果としてスポンジの中心部になればなるほど酸素は消費し尽くされた状態になり

かなり溶存酸素量が少ない環境になっているのではないか?

そしてその溶存酸素量の少ないエリアには、好気性バクテリアが先に代謝、排出した物質も

満たされていて、その物質をエネルギー源とする酸素を必要としない嫌気性バクテリアが

その物質をエネルギー源として取り入れて活発に活動しているのではないか?

そのように考えています。

スポンジフィルター内で”酸素が満たされてれいる環境”と

”酸素が消費されて極めて少なくなっている環境”の2つのエリアが存在する事で

私たちが想像できない程の数、種類のバクテリアが相互に働き合う事ができるようになり

その結果として、ディスカスにとって好都合な環境が作り出されているのではないでしょうか。


当たり前の事ですが、物理的な利点として

エアの吐出量を下げる事でスポンジ内の通水性をより長く保つ事もできます。

その結果として上記のバクテリア活動の良循環をより安定的に持続させる事もできますね。


以上が私が考えるスポンジフィルターのエア吐出量を弱くする理由です。

店頭では上手くいってますよ。是非参考にしてください。


※かといって使用中のスポンジフィルターのエア吐出量を一気に弱めないでください。

現在飼の育環境は時間をかけて”現在の環境で安定”しているのです。一気に何かを変化させる事は

予想できない結果を導く事があります。徐々にエア量を弱めて行く事をお勧め致します。

またその過程でアンモニアや亜硝酸の発生する可能性もございます。必ずご確認ください。

※当方の環境ではバクテリア液のバイオエースやPSBを使用しております。そのバクテリア類は

勿論今回のスポンジフィルター使用法で”強力”に効果を発揮しますが
スポンジフィルター使用の際に絶対にバイオエースやPSBを使用しなければならない訳ではございません。

自然に空中から水槽に入り込むバクテリアや

魚がお腹の中持っていて水槽に排出するバクテリア、或いは餌に添加されているバクテリアなどでも

今回お話したような活動をする可能性は十二分にございます。それぞれ検証してみてください。

※今回はスポンジフィルターのエア吐出量の強弱によって

有機質をエネルギー源とするバクテリアの働きが如何に変化するのか?

という点に焦点を絞って書いております。

硝化細菌によるアンモニア⇒亜硝酸⇒硝酸塩という硝化作用とは無縁な話ではないですが

その点については触れておりませんので、ご注意ください。

※実はバクテリアの世界には善玉菌、悪玉菌という定義はなく

悪玉と言われる菌でも結果的は善玉と助け合ったり人の役にたったりする事もあるそうです。

今回は便宜上、善玉菌、悪玉菌とわかりやすいように書いております。ご了承ください。


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