チャオチャオのワイルドディスカスレポート №7 [チャオチャオのワイルドディスカスレポート]
アクアとペットをこよなく愛する皆様、こんにちは。
今回のチャオチャオのワイルドディスカスレポートで
南米産シクリッドの一種であるワイルドディスカスの
表現による分類紹介も最終話となります。
今回のお話しは、スポットディスカスとストライプディスカスの中間に位置する
ワイルドディスカスについてです。
あまりこの地域のディスカスについての話題は
ショップをやっていても出てこないのですが、私も以前より
このカテゴリーのワイルドディスカスに対しては
『何だ?このディスカスは??』と不思議に思っていた表現を持つディスカス達です。
では、アマゾン在住18年のディスカス漁師さん、今回もよろしくお願いいたします!
ワイルドディスカスって何 ?
ーアマゾン在住18年の日本人ディスカス漁師が写真で語るワイルドディスカスの基礎知識―
7.ワイルドディスカス産地別のバリエーション境界線に生息するデイスカス
その他のバリエーション スポットとストライプの境界線
これは、結構難しかったりします。この地域はアクセスが大変悪く
私自身多くの現場で見たわけではないので、まだ良く解らない事が多くある地域です。
ではいつものように、地域のおさらいから。
グループ4境界線に住むデイスカス スポット系とストライプ系の境界線
コペア水路――ピオリニ――――↓
ウルムトン川―アマナ湖―↓ ↓
テフェから→アマゾン川―――無数の湿地帯パナミン島の湖―――――――→コアリまで
無名の小さい川湖―↑ 無名の小さい川湖―↑
御覧のようにTEFEからCOARIまでの区間に大きな支流がありません。
この区間に無名の小さな川や湖は多くあるのですが、中継地点となる主要都市がない為
書類が取れない、何かあった場合にすぐに対応できない。
と言う様な問題もあり、漁師仲間の間でも、採集に出るのを躊躇するような
いわば、デイスカス未開拓の空白地域なのです。
本格的に腰を入れての採集がされていない為、確実にそうだと言いきれる資料が根本的に足りないのです。
この地域で何度かサンプル程度に採集されたものを、販売した事もありますが、
この地域のデイスカスは正当に評価されなかった記憶があります。
人気が出なかった → 売れないは、経費負けしてしまうので、
継続しない → デイスカスの生態が良く解らないと言う現象を引き起こします。
未知の領域だから、面白いと私は思うのですが、私だけがそう思っていても
マーケットに受け入れてもらわないと、採集ルートは出来ません。
と言う事でこの地域のデイスカス採集は、単発採集によって持ちかえられた
デイスカスだけで判断された地域と言う事が出来ます。
継続して何度も通えば、また驚くような発見もあるのではないかと予測できます
なぜかと言いますと。デイスカスの表現が混じり合って、良く解らんなー的表現を見せるのはいつも、これら境界線上に生息するデイスカスだからです。
では、数少ないこれら境界線上のデイスカスの写真から
まずはテフェーコアリ間の上流側テフェに近いオリベンサという村のデイスカス
おっスポット表現ですね
しかし、同地域にこんな個体もおります
なかなか解読できません。
これがコアリ近くのムシンと言う町まで行きますと
なんとこんな表現になります
表現系はスポットと言うよりストライプですね。これは。
このテフェとコアリの中間に位置する産地のデイスカスの写真を探したのですが
見つかりませんでした。
タイプ的には上の写真に似たようなタイプになります。
鱗に赤の乗るスポット表現はほとんどおりません。
どちらかと言うと体表をおおうパウダーブルーに地肌の黄色が、ぼやけたスポット系に抜けるような個体になってしまいます。以前コアリで採集した折には
ホリゾンタルラインとホリゾンタルラインの間にまばらなのですが、赤いスポットが
入る個体を見たことがあります。こういうタイプはごく少数派でほとんがストライプ表現ですが、
で、このスポット表現とストライプ表現の境界線上に住むデスカスは
依然謎のままであるということで、原稿を終わっておきます。
謎は謎のままで良いではないかと私は思っていたりするのです。
いつの日か、これらの地域であっと驚くようなデイスカスが出たらまた面白いなー
という楽しみが残っていれば、また新しいデスカスを探しに出る動機にもなりますので。
今回は写真も少ないので、境界線のデイスカスおまけとして
コアリのデスカスも何匹か紹介しておきましょう。この湖、石油が出る為
湖での漁が全面禁止になり、採集に入れなくなってしまって、それ以後行っていないので写真は少々古いですが、
では、以下コアリデスカス
この地域のデイスカスも境界線ぽい雰囲気を出していますね。
で、もう一つおまけ、昔の写真を探していたら
出てきました。ネグロ川最下流のヘッケルバンドを持たないデイスカス
境界線に生息するデイスカスは面白いです。
出ましたね~!何だかよく分からないタイプのワイルドディスカス達が!(笑)
体型はグリーンですが、尻ビレには太いストライプ。これこれ!何だかよくわからない子達ね!!
今回出てきましたコアリ産のワイルドディスカスですが
昔の本には、バリバリのスポットグリーンの産地として
コアリが紹介されていたり、ブリードもののスポットグリーンにコアリ・スポットグリーンなどと
命名されていたように覚えておりますが・・・こっちの表現のディスカスがコア産リなんですね~。
全然違うじゃん!!(笑)
さらにあまり人気が出なかったもんで、あまり捕りにもいかず
生態もいまいち分からんと・・・。ですよね~。だから余計に良くわからないって事ですよね!
ところで、最後のネグロ下流ワイルドディスカス!!面白すぎますね!!
こんなのいるんだなぁ~。と、とても新鮮な気持ちで個体写真を見入ってしまいました。
さて、次回からはワイルドディスカスの生体に迫っていく予定だという事ですそうですよ!
ワイルドディスファンの方には是非今までの
表現カテゴリー別のお話を復習していただきながら
次回からの新章に是非期待していただきたいと思います!!
ではお楽しみに!!
タケオさん、こんばんわ!
コアリ、確かに雑誌等で紹介されるのはスポット個体ですが、実はスポットを持たないという話をこれを見て思い出しました!!
それにしてもネグロ・・・。ネグロにもロイヤルクロスが!?
かなりの衝撃です(゜o゜)
by ヒロ (2012-03-27 20:36)
>ヒロさん
ワイルドディスカスの混じり?交じり具合は
本当に興味深いですね。
如何に私たちが、狭い価値観、価値基準でワイルドディスカスを
見ているかが良くわかります。
赤い、青い、フルライン、フルスポット。
↑ ワイルドディスカスの世界は
上記のような価値基準だけで測ってはいけないように思います。
でも・・・やっぱり綺麗なものを決める基準って
相応に決まっていたりするのが悩ましい所です。
by チャオチャオなタケオ (2012-03-30 20:11)